4月下旬、私は宅二郎という宅配専門のラーメン屋がオープンしたというニュースを見て驚いた。
「レスポンス早!」

4月の下旬といえば、テレビではコロナウイルスの感染者数についてうるさく報道されていた時期だったので、私には飲食店のオープンが特異に思えたのだった。
インターネットで調べてみると、どうやらがっつり系ラーメンの宅配専門店らしい。
なんで?どうして?この時期に??
FLOATIN’ BUBBLESはその真相を探るため、急遽取材をすることにした。
取材するにあたって、私たちはまず実際に豚ラーメンを食べることにした。宅二郎は飲食店なので、五感でお店のポリシーを理解することが大切だと考えたからだ。ただそこは宅配専門のラーメン店。もちろんお店で食事することはできないし、お店から2km圏内までしか宅配してもらえない。
試行錯誤して私たちは宅二郎池袋本店近くの公園からUberEatsで注文することにした。

私たちは麺量をふつう(250g)、ヤサイ「マシマシ」、ニンニク「マシマシ」、アブラ「マシマシ」、醤油「マシマシ」で注文。あぁ注文するだけで胸が高鳴る。
注文画面はわかりやすくグラムで表記されており、初めてでもサクサク注文を進められた。がっつり系ラーメンを食べたことがない人でも注文しやすく、初心者にお勧め出来るかもしれない。
20分後


またヤサイはジップロックに入っており、購入者側で盛り付け方を調整・工夫することができる。宅配麺なのでこうしたパッケージングがなされたのだろうが、ラーメンとヤサイが分かれていることで臨機応変に味を変化させられ、家で自らのペースで食べる宅配麺としてはメリットだといえる。
ちなみに、このプラスチック容器はラーメン店にあるような陶器の丼に匹敵するくらいの大きさ。250gの麺量が普通、とされていたことから気づいていたが、宅配だからといって量に抜かりはなかった。普段大盛りのラーメンを食べる人でも驚くくらいのボリューム感だ。もちろん減らすこともできるので、自分のお腹と相談して注文しよう。
それではいざ、実食!
ズルズル… ズルズル…

…美味い。
麺はコシと弾力がありほどよくジャンキー。お店から距離が近かったので硬い麺を想像していたが、適度なやわらかさがありがっつり系ラーメンとしては一般的な硬さだと感じた。
チャーシュー(豚)はしっかりと中まで味が染みていておいしい。赤身のホロホロとした食感と柔らかい脂身がラーメン全体とうまく調和している。
スープはガツンとした醬油ベースのものというよりかは、まったりとしたクリーミーな味わい。そこにニンニクのうま味が相まってずっと食べていたくなる。ラーメン二郎とは系統の違う味で、そこにいわゆる二郎のピーキーな醤油の味わいはなく、マイルドでやさしいものとなっているので、がっつり系ラーメン初心者でも無理なく楽しめる。
ヤサイは二郎用語で言うところでは”クタ気味”の仕上がり。もしかすると、醤油を増量していたのでしんなりしていたのかもしれない。味がしっかりしみ込んでいるので、ヤサイだけ食べていても飽きない。また今回トッピングはすべてマシマシの注文をしていたわけだが、ヤサイの量だけが明らかに突出していた。クタ気味に仕上がりも相まって、ボリューム感を感じられた。
さらなる真相を探るため、ここで宅二郎の広報・大沼さんにいくつか質問をぶつけることにした。
ー宅二郎を出店した経緯を教えてください。
そもそも4月頃にラーメン店を開業する予定だったのですが、コロナウイルスの影響でその企画を再考しなければならなくなりました。そこで私たちが考えたのが、ニンニクのきいた太い麺のラーメンです。まずコロナ禍で在宅需要が伸びると考えました。しかし麺は宅配中にスープを吸って伸びてしまいます。そこで遠くに宅配してものびづらい太い麺を使用することに決まりました。また太い麺を使用するためにスープもジャンキーな味わいのものにしました。さらに、社会全体が感染症を危惧していたことから免疫力がつくと言われる食材がスーパーで売れ始めていたことに目をつけ、私たちはラーメンと相性のいいニンニクを入れることにしました。また、家ならニンニクのきいた料理を楽しんでもらえる方が多いという目算もありました。
感染リスクという点で飲食店は真っ先にやり玉にあがりました。最終的にはラーメンの会社として何か社会に貢献できないかという思いで出店に至りました。

なんとなく、ではなくて綿密な計画のもと出店していたことに正直驚いた。ラーメン全体が調和していたのはこういう理由だったのか。
ー現在の売り上げについて教えてください。

当初は1日に30杯くらい売れればいいと思っていたのですが、実際には1日に100杯程度は売り上げています。
私たちが宅二郎池袋本店を訪れたときは、ウーバーイーツの方がひっきりなしに往来しており、1日に100杯程度は売れるという話はとても納得できる。

売り上げの話からは逸れてしまうのだが、宅二郎池袋本店は我々が想像する池袋の地になく、またお店には調理場のスペースのみしかない。これらは宅配専門のラーメン店だからこそ可能な営業方法でとても理にかなっている。
私たちはラーメンにUberEatsさんの宅配料を乗せて販売しているだけなので、通常のラーメン店と利益率が低いということはありません。
ー宅二郎の今後についてお聞かせください。
正直言って、これから先どうしていくのかは未定です。在宅需要が増えるのか減るのか全くわからないですから。麺達人株式会社が宅二郎以外のブランドを展開する際も、「あの宅二郎の会社が別のラーメンを!」などとプロモーション出来るので、柔軟に将来を見据えています。
コロナ禍の4月にラーメン愛とロジカルな戦略でラーメン好きをバズらせた宅二郎。これからの動向にも期待したい。